特別レポート スペインバスク地方 ワイナリー訪問記

イタリア出張紀行
Vinitalyとトスカーナで出会った、ワインの熱と人のぬくもり

世界最大級のワイン見本市「Vinitaly(ヴィニタリー)」の様子とトスカーナ地方のワイナリー訪問の様子をお届けいたします♪

世界最大級のワイン見本市
「Vinitaly」の熱気

春のヴェローナでは、世界中のワイン関係者が集うイタリア最大級のイベント「Vinitaly(ヴィニタリー)」が開催されます。

北はアルプスの麓ピエモンテ州から、南は地中海に浮かぶシチリア島まで、全20州から生産者が集結し、それぞれの誇りと情熱を胸に個性豊かなワインを披露。その場にいるだけで、ワインという文化の“熱”が全身に伝わってきます。

私はこのVinitalyに3日間参加し、30社以上のワイナリーと商談と試飲を重ねました。広大な会場には4000を超えるブースが並び、まるで“ワインの迷宮”。歩を進めるたびに新たな香りと出会い、ひとつとして同じ表情を持たないワインに触れる―その高揚感は何度訪れても色あせません。

赤ワインの発掘

今回の出張の大きな目的は、今秋以降にご案内予定の「日本未入荷 イタリア直輸入プレミアム赤ワイン頒布会」や「イタリア最高級DOCG6ヵ月コース」にふさわしい赤ワインの発掘です。

会場では、サッシカイアやビービー・グラーツなど、世界のワイン愛好家が憧れる超高級ワインのブースもあり、その華やかさに思わず足を止めたくなる場面も。しかし私が本当に探していたのは、まだ日本では知られていない、けれど心に響くような魅力を秘めた赤ワインと、その造り手たちの物語でした。価格高騰や物流の課題もあるなか、現地で造り手の想いに直接触れ、「これだ」と思える一本に出会えることは、バイヤーとして何にも代えがたい喜びです。 どの生産者も、畑に立つ自分たちの姿に誇りを持ち、ワイン造りに真摯に向き合っていることが、言葉の端々や表情から伝わってきました。

伝統を守りながら革新に挑む大規模カンティーナや、家族で丁寧に畑を守る造り手など、その規模やスタイルは異なっても熱意と信念は共通。生産者と対話を重ね、ワインの背景にある哲学を聞きながら味わう時間は、私にとって何よりも大切です。そして実際に、心からご紹介したい赤ワインに、いくつも出会うことができました。

3日間を終えて

またこの3日間を通して強く感じたのは、各州の個性の豊かさです。シチリアやプーリアでは陽光の凝縮感あふれる果実味、カンパーニャやバジリカータではミネラル感と引き締まった味わい、ピエモンテやトスカーナではクラシックな深みと品格。それぞれの土地の風土が、まさにワインの味わいに息づいているのです。

こうして出会えた、まだ日本で手に入れることが出来ない造り手たちの“発掘ワイン”を、皆さまにご紹介できるのは私たちの大きな喜び。グラスの向こうに広がる風景とストーリーも、ぜひ感じていただけたら嬉しいです。

トスカーナの畑で、人とワイン、
食の物語に触れる

Vinitalyでの3日間を終えた私は、熱気をそのまま胸に抱きながら高速列車に乗り込み、トスカーナ地方へと向かいました。 丘陵の風景が広がるこの地では、すでにお付き合いのある複数のワイナリーを訪問。畑やセラーを案内していただきながら、それぞれの生産者が語るワインへの哲学やこだわり、そして土地への敬意に、改めて深い感銘を受けました。

地元のレストランにて

今回、特に印象に残ったのは、そうした生産者たちがふるまってくださった「食」のひととき。イタリアで最も高貴な赤ワインのひとつと称されるブルネッロ・ディ・モンタルチーノの造り手を訪ねた際には、緑に囲まれた小規模なオーガニックワイナリーの一角にあるレストランで、地元の名物パスタを用意していただきました。

テーブルに並べられたのは、「タリアテッレ 猪肉のラグーソース」と、トスカーナ伝統の手打ち太麺を使った「ピチ アル・ポモドーロ」。
いずれも手打ちならではの小麦の風味と、もっちりとした食感が魅力で、それぞれに合わせたシンプルながら奥深いソースと見事に調和していました。素材の良さが引き立ち、ワインとの相性も抜群。
あらためて「地のものには地のものを」という言葉の意味を体感する、感動的な時間でした。

本場仕込みのカルボナーラ

また別の日には、キャンティ・クラシコの若き生産者を訪問。オーナー自らがキッチンに立ち、本場仕込みのカルボナーラをふるまってくださいました。「イタリア式の作り方を体験してほしい」と、香ばしく焼いたパンチェッタやリコッタ、パルミジャーノ、卵黄などを手際よく合わせ、目の前でパスタを仕上げてくれる姿に、思わず胸が熱くなります。濃厚なソースと弾力あるパスタが織りなす一皿は、彼の造るキャンティ・クラシコとぴたりと寄り添い、思わず笑みがこぼれる美味しさでした。


トスカーナを訪れてみて

こうして迎えてくれる食卓には、生産者の人柄や温もり、そしてワインへの愛情がにじんでいます。
情熱をもってブドウを育て、丁寧にワインを仕立て、訪れた者をもてなすその姿に、「美味しいワインは、人の手と心によって生まれるものなのだ」と、あらためて実感したトスカーナでの時間でした。