ソムリエつれづれ帳

第24回 ワインの世界で活躍する女性たち

第24回 ワインの世界で活躍する女性たち

3月8日はInternational Women's Day(国際女性デー)!3月にはこちらフランスでもミモザのブーケが店頭に並び、街は一気に春らしさが増します。
今回はこのイベントにちなみ、ワインの世界で活躍する女性たちをご紹介します。

日本酒の蔵は、かつて女人禁制の時代がありました。日本酒の守り神である松尾大社は女神であり、女性が蔵に入るとやきもちを焼くというのがその理由だったと言われています。昔、女人禁制の習慣があったのは、ワインの世界でも同様です。

ブルゴーニュのシャサーニュ村にあるネゴシアン、メゾン・ピカールの3代目フランシーヌ・ピカール女史はこのように言っています。

「以前は女性がカーヴに入ると、ワインがお酢になると言われていました。女性は差別的な扱いを受ける対象でした。」

しかし近年フランスでは、続々と女性の栽培醸造家が誕生しています。ブルゴーニュでは2000年に「Femmes et Vins de Bourgogneファム・エ・ヴァン・ド・ブルゴーニュ」という団体が発足。女性栽培醸造家の地位向上を目指してさまざまな活動を行っています。

そこにはフランシーヌ女史以外にもセシル・トランブレイ女史、アンヌ・グロ女史、ルイ・シュニュ女史など約40名の女性醸造家たちが名を連ねています。そのような団体はブルゴーニュに限ったわけではなく、ワイン業界での女性の活躍の場を広げようとする運動はフランス全土、さらには海外のワイン産地にも広がりを見せています。

ワイン造りや販売の場でこれまでになかった視点を持ち、豊かな感性を働かせ、ワイン業界に新しい風を吹き込んでくれる女性たち。栽培や醸造の現場で新たな技術を取り入れたり、ワイン初心者の方でもつい手にとってしまう個性的なデザインをボトルに施したり、ワインと合う料理のレシピをエチケットや販売サイトで紹介したり、その影響はどんどんワイン業界全体に広がっています。

ワイン販売の場でも、女性醸造家が手掛けたワインに特化して紹介する企画が増えたりと、女性がワイン造りに携わることは今やプラスの要素として捉えられる向きもあるほどです。

昔ながらのドメーヌのエチケットには「Domaine 〇〇 et Filsドメーヌ・まるまる・エ・フィス」といった表記が珍しくありませんでした。
この「Filsフィス」とは「息子たち」という意味で、代々家業が男性のメンバーによって受け継がれてきたことを示します。しかし最近では、ここに「Filsフィス」ではなく「Fillesフィーユ」と刻む造り手も出てきました。

これから先、ワインを愛する娘たちがワイン造りに従事しているという事実を高らかに宣言するこうしたエチケットが、ますます増えてくるかもしれませんね。