フランス南部、ヴィエンヌからアヴィニョンにかけて南北に広がるローヌ地方。日本ではボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュなどにスポットライトがあたり、それほど有名ではないかもしれませんが、実はロバート・パーカー氏が最も多く100点満点をつける、一大銘醸地です。
ブドウ畑は縦に走るローヌ渓谷に沿って広く、南北200km、東西100kmにもおよぶ、ボルドーに次いで大きいワイン生産地です。「ローヌ地方」と一括りにされてしまいがちですが、ワインの個性はローヌ北部と南部で大きく異なります。
ローヌ北部は、ローヌ川両岸の狭く急な斜面にブドウ畑が広がっており、中には斜度60度にもなる急斜面に、しがみつくようにして立っている樹々もあります。当然機械は入れず、ほとんどの生産者が耕作から収穫まで、すべて手作業で行っています。赤はコート・ロティやエルミタージュ、白はコンドリューやシャトー・グリエなどが有名で、少量生産ながらも非常に品質が高く、価格も高価なワインがきら星のごとく並んでいます。
ヴィオニエやシラーなどのブドウ品種が中心となる北部に対し、ゆるやかな起伏の土地に多様な土壌が広がるローヌ南部では、グルナッシュを中心にさまざまな土着品種が植えられています。強い北風“ミストラル”の影響で、ブドウはカビや病気にかかりにくく、表示はされてなくても農薬をほとんど使っていない、オーガニックな生産者も多いのが特徴です。有名なシャトー・ヌフ・デュ・パプの他にも小さなAOCがたくさん存在している、奥の深い魅力あふれるワイン産地です。
ヴィエンヌからアヴィニョンまでは、13のワイン街道が整備されています。ローヌ地方を訪れる際には、ぜひ北部と南部のテロワールの違いを感じながら旅してみてください。ローヌワインの個性の豊かさが、舌だけでなく、全身で味わえる体験になることでしょう。