ソムリエつれづれ帳

第11回 「ブドウ畑の杭打ち」

ブドウ畑の杭打ち

秋の終わりから冬にかけてのブドウ畑は、葉が落ち、実もなくなって、畑で働く人々の姿も少なく、ひっそりと静かになります。そんな時期でも、ワイン生産者たちの仕事がなくなるわけではありません。ブドウの果実や葉の心配がなくなった分、翌年度の収穫に向けてブドウ樹の枝を選定したり、土作りをしたりとブドウを取り巻く環境を整える作業に時間を費やしているのです。

春が近づき、芽吹きの季節がやってくると、多くのシャトーで「杭打ち」を行っている様子が見られます。フランスのブドウ畑は「垣根仕立て」といって、畑の両脇に打ち立てた杭からワイヤーを張り、それに沿うようにブドウ樹を育てていくことが多いのですが、木製の杭は定期的に取り替える必要があるのです。

ボルドーでは、一見したところ腰ぐらいの高さの杭が多いのですが、アルザスやシャンパーニュ地方ではより高い位置で仕立てる地域もあります。そしてこれらの杭は、実は地中に埋まっている部分が非常に長く、地上に出ている部分の3倍以上になるものもあります。あまりの長さに、その全長を初めて見る方は、それが畑の杭だとは気づかないかもしれませんね。

最近では管理のしやすい鉄製の杭を使用する生産者も増えてきましたが、昔ながらの方法にこだわって、木製の杭を使い続けている方も多くいらっしゃいます。新しいヴィンテージを迎える準備が出来たら、芽吹きの季節ももうすぐそこです。