第2回

初心者必見!
ワインのコルクの開け方やオープナーがない時の対処法

「ワインを気軽に楽しみたいけど、コルクが上手に開けられるか不安…」
「どうやって開けたらいいのか分からない」…
そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?本記事では、ワイン初心者でも安心して実践できる基本の開け方から、オープナーがない時の裏ワザ、スパークリングのスマートな抜栓方法まで、わかりやすく丁寧にご紹介します。

ワインオープナーを使った基本的な開け方

まずは初心者の方でも失敗しにくく、安心して開栓できる方法をご紹介します。
(※この開け方は、発泡性ではないワイン用の方法です。スパークリングワインの抜栓方法は、後ほどご紹介します。)

  • キャップシールをナイフで切り取り、瓶口を清潔に保つ
  • スクリューを少し斜めに傾けながら、先端をコルクの中心に刺し、スクリューを垂直に立てる
  • 垂直を保ちながらスクリューを回す
  • スクリューをしっかりねじ込む
  • オープナーのフック部分を瓶口にひっかける
  • テコの原理でレバーを使い、ゆっくりとコルクを引き抜く
  • 最後は手で優しくコルクを抜ききる

1. キャップシールの除去と瓶口の清掃

ワインボトルの首部分にはキャップシールが施されています。まず、瓶口下部のくびれ部分にナイフで切れ目を入れ、キャップシールを丁寧に取り外します。この際、瓶口に汚れやホコリが付着している可能性があるため、ナプキンでしっかりと拭き取ります。これにより、ワインを注ぐ際に不純物が混入するのを防ぎ、清潔な状態で楽しむことができます。

2. スクリューの挿入

次に、コルクの中心にスクリューの先端を刺します。このとき、スクリューを斜めにした状態で先端を刺すと、最初からスクリューを垂直にした状態で刺すより、先端の位置が見えやすいです。先端が刺さったら、スクリューを垂直に立て、ゆっくりと回しながら差し込んでいきます。ここでは、スクリューが斜めに入らないよう注意し、真っ直ぐに挿入することが重要です。スクリューを垂直に深くまで差し込むことで、コルクを安定して引き抜くことができ、途中で折れるリスクを減らすことができます。

3. コルクの引き上げ

スクリューをしっかりと差し込んだら、オープナーのフック部分を瓶口に当て、テコの原理を利用してコルクを少しずつ引き上げます。一度に全て引き抜こうとせず、途中まで引き上げたら、再度スクリューをさらに回し入れ、同じ手順で引き上げます。これにより、コルクに横方向の力がかかるのを軽減し、折れるのを防ぐことができます。
熟成したワインなど、コルクがもろくなっている場合は、コルクの一番奥までスクリューを差し込んで、差し直しをせずにゆっくりと引き上げることが有効な場合もあります。

4. コルクの完全な抜栓

最後に、コルクがほとんど抜けた状態になったら、手でコルクを持ち、静かに引き抜きます。この際、急に引き抜くとワインが飛び散る可能性があるため、ゆっくりと丁寧に行うことが大切です。抜栓後は、コルクに異常がないか確認し、ワインを注ぐ前に瓶口を再度ナプキンで拭いてからお楽しみください。

※ナイフやスクリュー部分でのけがを防ぐため、取り扱いには十分ご注意ください。

コルク栓を開ける道具

1. ソムリエナイフ
プロのソムリエも使用する、折りたたみ式のオープナーです。ナイフ、スクリュー、レバーが一体となっており、コンパクトで持ち運びに便利です。使用には少し慣れが必要ですが、習得すればスマートに開栓できます。
2. ウイング式オープナー
両側に羽(ウイング)のようなレバーが付いたタイプです。スクリューをコルクに差し込むと、レバーが上がり、これを下げることでコルクを引き抜きます。初心者でも扱いやすい設計です。
3. T字型オープナー
最もシンプルな形状で、スクリューに横棒が付いたデザインです。手動でスクリューをコルクにねじ込み、引き抜きます。力が必要で、慣れないとコルクを破損することがあります。
4. スクリュープル(セルフプル)式オープナー
ボトルにセットし、ハンドルを回すだけで簡単にコルクを抜けるタイプです。力をあまり必要とせず、初心者にもおすすめです。
5. 電動オープナー
電動でスクリューを回し、ボタン操作でコルクを抜くタイプです。力が要らず、簡単に開栓できますが、電池などの電源が必要です。
6. ツインブレードオープナー
二枚の薄い金属板をコルクの両脇に差し込み、コルクを回しながら引き抜くタイプです。古いワインでコルクがもろくなっている場合に有効です。
これらの道具を使い分けることで、さまざまなワインの開栓をスムーズに行えます。自身のスタイルや好みに合わせて、最適なオープナーを選んでみてください。

オープナーがない時の対処法

どうしてもワインを開けたいのに、オープナーがない…そんな時でも慌てず対処できます。

ネジを使う方法。
ドライバーを使って、ネジをコルクに垂直にねじ込みます。そして、ネジをペンチやフォークで引き抜けば、オープナーと同様にコルクを抜くことができます。

次に、フォークを使う方法。
コルクに対して少し斜めにフォークを刺し、コルクの奥まで差し込みます。その後、フォークの柄を持って回しながら少しずつ上げていきます。同じ場所に刺したままコルクを一気に引き抜こうとすると、一箇所に力がかかり、コルクが崩れる原因になるので、2~3回フォークを刺す場所を変えながら引き上げることがコツになります。

最後に、コルクを押し込む方法。
清潔なタオルや割り箸のような棒で、力を均等に加えてコルクを瓶の中に落とします。ワインが飛び出す恐れがあるので、ゆっくり慎重に。いずれの方法も、事前に瓶口を清潔にし、飛び散りやボトルと道具の取り扱いに注意して行いましょう。

コルクが折れてしまった時の対処法

ワインの抜栓中にコルクが途中で折れてしまっても、落ち着いて対処しましょう。
まず、残ったコルクが瓶口に残っている場合は、スクリューを再度中央に差し込み、ゆっくりと引き抜きます。無理に力を入れるとさらに崩れるので、慎重に行うのがポイントです。それでも抜けない場合は、ツインブレードオープナーなどでコルクを挟んで取り出す方法もあります。
もし細かく砕けてしまった場合は、押し込んでワインをデキャンタージュする(コルクや澱がデキャンタに入ってしまわないように気を付けながら、ワインをデキャンタに移す)のが安全です。コルク片が混ざる場合は、茶こしやフィルターを使えば安心して楽しめます。なお、コルクは天然素材なので、多少ワインに入っても健康に害はありません。

スパークリングワインの抜栓方法

スパークリングワインは炭酸ガスが含まれているため、抜栓には注意が必要です。
まずよく冷やすことが大切。あまり冷えていないコーラなど炭酸飲料を開けるときと同じく、温度が高いと泡が噴き出しやすくなります。

開ける際は、キャップシールを外してからワイヤーを6回転緩めます。この時、コルクが突然飛ぶことがあるので、親指でしっかり押さえておきましょう。

ボトルを45度ほど斜めに持ち、そのままボトルをゆっくり回します。このとき、コルクを回すと手が滑ってコルクが飛んで行ってしまい、周りの物を破損するおそれがあるので、コルクを持った手は動かさず、ボトルを回すようにしましょう。

ほとんどコルクが抜けそうになったら、コルクを瓶の一方の壁に押しつけるなどして少しガスを逃がすようにすると、「ポン!」と音を立てずに開けられます。音を控えたい場面やプロのようなスマートな抜栓におすすめの方法です。

さらに豆知識!天然コルクvs合成コルク

ワインのコルク栓には、実は「天然」、「圧縮」、「合成」と3つのタイプがあるのをご存じでしょうか?
見た目は似ていても、その素材や特徴、そして生産者が込めた想いには大きな違いがあります。

まず伝統的な天然コルクは、コルク樫(オーク)の樹皮から作られる自然素材です。微量の酸素を通すため、ワインの瓶内での緩やかな熟成を促すという点が最大の特徴です。高級ワインに多く使われており、「ワインの熟成=天然コルク」と考える愛好家も少なくありません。ただし、天然素材ゆえの課題もあります。代表的なのが「ブショネ」と呼ばれる現象で、これはコルクに含まれる成分と微生物が反応し、カビ臭や段ボール臭といった異臭をワインに移してしまう不良。発生率はおよそ3〜7%といわれており、生産者にとっても悩ましい問題です。
そのため、天然コルクを細かく砕いたものからブショネの原因となる物質を取り除き、それを圧縮してコルクの形に成型した「圧縮コルク」が、世界中の生産者から評価されています。特に、「DIAM」というブランドは、様々な酸素透過性を持ったコルクを出しており、ワインの風味を守ることや、ワインの熟成を促すことなど、いろいろな生産者のニーズに応えています。

また、近年多くのワイナリーが注目しているのが合成コルクやスクリューキャップです。中でも「ノマコルク」というブランドの合成コルクは、環境に優しく、かつ酸素透過性も天然コルクに近い構造を持ちます。何よりブショネのリスクがほぼゼロで、品質管理がしやすいという点が、特に新世界(オーストラリア、ニュージーランド、チリなど)の生産者に高く評価されています。また、気候変動によりコルク樫の木の管理が難しくなってきた現在、持続可能な材料としても合成コルクは支持を集めています。

スクリューキャップは、他の飲料と同じく、手でひねるだけで開栓できてしまう手軽さが、新世界を中心に消費者から支持を得ています。全く酸素を通さず、ワインが熟成しないのでは?と思われがちなスクリューキャップですが、最近では技術の進歩によってワインの熟成にも適したスクリューキャップも登場しています。

ヨーロッパではいまだ天然コルクが主流ですが、用途やワインのスタイルによって、また飲み手の開けやすさや好みを考えて、あえて圧縮コルクや合成コルク、スクリューキャップを採用する生産者も増えています。大切なのは「どちらが高級か」ではなく、そのワインがどんな場面で楽しまれることをイメージしているか、そしてワインの品質を守ること。そこに、生産者の哲学が表れているのです。

まとめ

ワインを楽しむ第一歩は、正しい開栓から。基本のオープナー操作に加え、スパークリングの静かな抜栓法や、オープナーがない時の対処法も覚えておくと安心です。少し慣れてきて、パーティーの時などにきれいに抜栓できたら、格好いいですよね。さらに、コルクには天然、圧縮、合成などの違いがあり、熟成や品質保持の工夫が詰まっています。開け方からコルクの素材まで、知れば知るほど奥深い、それがワインの魅力です。
この記事の監修者
吉村 充弘
DipWSET(英国のワイントレードの資格)、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、ボルドー大学大学院修士(ワイン法)。
フランス・パリを拠点とし、ワイン専門ガイドとしてヨーロッパ各地(特にフランス北部)のワイン産地への旅を支援するほか、パリでのワイン教室 un verre を主宰。フランスワインを中心に、歴史や食文化などを併せて各地方のワインを立体的に紹介する講座などを開催している。キャプランワインアカデミーではWSET対策オンライン講座の講師を務める。
ボルドー大学では、原産地呼称統制(AOC)制度や環境認証など、ワイン法を様々な視点から研究。また、調査で得た地質や歴史の知識に加え、世界各地のワイン産地へ足を運ぶことで、五感を通じたワインの理解を深めている。
ワイン教室 un verre:https://www.instagram.com/unverreparis/